はじめに
私miketako3は2月末ごろからうつ病で休職していました。現在も休職中ではありますが、だいぶ体調も回復し復職も近づいてきているので、このタイミングで記事を書こうと思います。
こうした内容を公言するかどうかは悩みました。周りの人にはうつ病になりそうに無い人と思われている感覚があって、それを破壊してしまうのが嫌だったというのもあります。
ただ、うつ病なんだよねと言うことの面倒臭さよりも言わないことによる不快感が大きかったというのもありますし、公開することで誰かの助けになるかもしれないというのもあってこの記事を書くことにしました。
周りの人に伝えたいこと
今まで公言していなかったので当然ですが、普段と変わらず接してもらえたのがとても良かったと思っています。
今後も配慮はいらないので特に変わらず接してください。うつ病に関することは聞かれたくないとかそういうことは特にないので、普通に話に上げてもらっても良いです。聞かれれば何でも答えます。
以下長文になるので気になる方だけ読んでください。
経緯
コロナ禍によるリモートワークや自粛の影響で体調を崩したりもしましたが、これまでなんとかやってきていました。
しかし、2021年後半くらいから徐々に無気力感や倦怠感、体の痛みが大きくなってきました。何をするにも入り込めていない感じというか、ストレスが発散できていない感覚がありました。
2022年1月末頃に産業医に相談しましたが、その時はまだ仕事が全くできないというほどでもなかったため相談のみで終わりました。
その直後、業務的にしんどい時期が続き、とどめを刺されたように体調が悪化していきました。そして産業医に二度目の相談をしたところ心療内科を勧められ、そのまま2月末には休職となりました。急に休職したのでいろんな人に迷惑をかけたと思います。
休職後1ヶ月はほぼ寝て過ごし、3ヶ月程度経ったときには、疲れやすさが残るものの日常生活をするだけなら問題ないレベルとなりました。
そこからさらに3ヶ月程度、仕事ができる集中力を取り戻すために使い、現在ではそれなりに仕事ができそうな体調まで回復しています。
そもそもうつ病とは何なのか
情報ソースはほぼネットのみなので詳しくは専門のソースを見てほしいですが、ある程度は自分で調べて理解したつもりです。
概要
うつ病とは気分障害の一種で、うつ状態 (いわゆるうつ病っぽい状態) が2週間以上続いている場合につけられる診断です。原因はよくわかっていないようですが、脳内のセロトニン等が不足したことによって起きるという説がありますし、少なくとも脳に病的な何かが起きて発症したと考えられています。ただの精神的な問題ではないということです。
いわゆる新型うつ等と呼ばれることもある適応障害とは区別され、原因を切り離した時にうつ状態ではなくなるのが適応障害で、そもそも原因が定かではないのがうつ病という理解です。(なので、適応障害の場合は業務は無理でも休日は元気だったりするわけです)
症状
症状としては精神的なものとお肉体的なものがあり、例えば以下のようなものがあります。肉体的な症状があるということは知らない人には意外なんじゃないかなと思います。
- 精神的
- 気分が落ち込む
- 意欲が無くなる
- 集中力が無くなる
- 不安になる
- 肉体的
- 頭痛
- 腰痛
- 肩こり
- 睡眠障害
- 食欲不振や過食
診断
うつ病や適応障害の診断は操作的診断というものによって行われます。わかりやすく言えば心理テストみたいなやつです。
いまのところそれらを正確に検査するのは難しく、症状によって診断するしかありません。そのため、医者によらない客観性のある診断をするために心理テストの規格を作っているみたいなことのようです。
以下の記事によれば、うつ病の9割弱がICDという診断基準、残りがDSMという診断基準で診断されています。
つまり、ICDやDSMを覚えれば誰でもうつ病の診断を得られる可能性があるわけです。これは、本当にうつ病に悩む人にとってはあまり良いことではないと思います。自分の症状はただの甘えなんじゃないかという気持ちになってしまいます。まあ本当に患っている人はそんな勉強する余裕は無いわけですが、ライフハック的に使用する心無い人によって偏見に晒される可能性を考えると早く検査法が確立してほしいと願うばかりです。
治療
うつ病の治療で重要なのは以下の4つです。
- 休養
- 環境調整
- 薬物治療
- 精神療法
そのため、精神科や心療内科でうつ病と診断されると、休職の診断書が出たり薬が処方されたりするわけです。
なお、精神科や心療内科、クリニックはほぼ同じ意味です。名付けが自由なのでばらつきがあるというだけです。
精神科で薬物治療と聞くとなんだか怖いイメージがありますが、最近は副作用が比較的少ない薬もありますし、イメージほどのヤバい薬が処方されることはあまり無いんじゃないかなと思います。
また、治療の効果は徐々に現れていきます。風邪等と一緒である瞬間からいきなり全快とはならないので、最初は寝たきりだとしても徐々に活動量が上がっていくと思います。そのため、うつ病だからといって何もできないわけではないです。これも世間一般のイメージと乖離があるんじゃないかなと思います。
お金周り
休職中は一般的には傷病手当金というものが健康保険から支給されます。金額としては月給の2/3程度です。 また、企業によってはさらに所得保障がある場合があり、月給の2/9程度が追加で支給されます。ボーナスはありませんし、支給までにかなりタイムラグがあるとはいえ、この期間は働かずにお金がもらえるわけですね。
働かずにお金がもらえるなんて最高じゃないかと私も休職以前は思っていたのですが、やってみるとそんなに良いものではありません。
そもそも大半の期間は遊んだり出来る余裕が体調的にありませんし、精神的にも遊んでいられるような状態ではありませんでした。本来感じる必要は無いのですが、ズル休みをしているような感覚になります。
かなりの図太さがないと悠々自適に過ごすのは難しいでしょうし、そのような人はうつ病にならなそうです。
さらに、治療が進んでいないと思われれば不要に薬が増やされるわけで、副作用があることを考えればあまりやりたくはありません。
結局は真面目に治療に専念するのが一番良いわけで、そういう意味では安心して休める傷病手当金という制度は良いものだと思います。
自分の場合
症状
私の休職直前の症状は以下のようなものでした。
- 食欲不振
- 朝昼はほぼ抜き、晩も少量のみが多かったです。
- 睡眠障害
- 寝付くのに数時間かかり、夜中に目が覚めるような状態でした。
- うつ病が原因かはわかりませんが寝汗がひどかったです。
- 倦怠感
- 頭が重いという表現がこんなにも適切なのかと感動するくらいには頭が重かったです。
- 業務後の倦怠感は酷く、ほぼ寝ていました。
- 集中力の欠如
- 集中できるのはせいぜい1日1時間程度でした。
- 気分の落ち込み
- 死んだ方がマシ的な考えもありました。
- よくわからなくなり涙が出たことも一度だけですがありました。
- 何をしても気分がよくなる感じがしませんでした。
- 体の痛み
- 右上腹部の違和感や痛みが特にひどかったです。
- これについては随分前からあって超音波検査もしましたが異常はありませんでした。
- 右足の付け根の痛みもありました。
- 右上腹部の違和感や痛みが特にひどかったです。
- 肩こり
- これはデスクワークなら誰でも起こるのでうつ病によるものかどうかはわかりませんが、少なくとも現在はそこまで酷くはありません。
気分が悪くてやる気が出ないだけとかであれば個人的には休職するようなものではないのですが、集中したくてもできないという状態で流石に業務に支障がありました。
処方
私が処方された薬は主に抗うつ剤と睡眠導入剤です。
抗うつ剤はざっくり言えばセロトニンを増やすもので、長期間服用してじわじわ効果が出るものです。抗うつ剤は効果がない場合もあるようですが、私はそれなりには効いたような気がします。
睡眠導入剤はまあ睡眠薬です。これはかなり効果があり、寝つきもよくなり朝まで眠れるようになりました。酷かった寝汗もほぼなくなりました。
心療内科や精神科は話を聞いてもらう場所といったイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実際にはほぼほぼ症状に応じた薬が処方されるだけです。
原因
少し上で書いたように原因を特定するのは難しいですが、これなんじゃないかというものはいくつかあります。詳細については書けない部分が多いですが以下に挙げます。
- 業務系
- 慢性的なシステム障害の対応
- 深夜待機
- 業務上のプレッシャー
- 燃え尽き症候群
- 生活系
- リモートワークによる運動不足
- 睡眠の質の低下
私に関して言えば人間関係で困ったりしたことはなく、業務自体が嫌というわけでもありませんでした。また、見かけ上の残業時間もかなり少ない方でした。
一方で、残業時間では見えない負荷もあり、特に常にシステム障害の連絡が携帯に来るというのはかなり負担が大きかったんじゃないかなと思っています。
主治医の説明でも「医学的に疲れが溜まっている状態でしょう」という旨を言われていたので、疲労が溜まっていたことは間違いないです。
回復するまでにしたこと
~ 1ヶ月
休職後1ヶ月はほぼ寝ていました。抗うつ剤は効くまでに少なくとも2週間から1ヶ月はかかるということもあり、死んだような生活をしていました。食欲も最初は全く無かったのですが、薬が朝食後だったのでゼリーだけ何とか食べるといった食生活をしていました。
1 ~ 3ヶ月
2週間から1ヶ月すると多少は活動ができるようになりました。初めは1~2時間家事をしてまた寝るという過ごし方でしたが、だんだん体調が戻っていきました。最大MPが日に日に上がっていくような感覚でした。
この頃は活動が出来るようになってくるのもあって焦りが出てくる時期でした。いっそのこと転職してやろうとか思って色々やってはみましたが、予定を積むと目に見えて体調が悪化しました。そこで転職は止めてやっぱり回復に専念することにしました。
仕事もそうですが転職なんてものはかなりのエネルギーを使うもので、それが出来るほど回復はしていなかったということです。
体力もかなり落ちていたので、回復のためにネットでオススメされていた散歩等をしたりしていました。
また、多少なら遊んだりできる余裕は生まれたので、ゲームしたりもしていました。転職のようなプレッシャーはないのでマシではありましたが、結局集中力を使うので長時間するのは難しかったですが。
3ヶ月 ~ 現在
ある程度日常生活は遅れるようになったので、この時期は仕事に戻ることを想定してリハビリ的なことをしました。
個人開発してみたいものは何個かあったのでそれを作ってみたりして、徐々に活動量を上げていきました。 このブログもその一つです。本題と逸れるので詳細は割愛しますが、Next.jsとReactとTailwindでゴリっと書いています。
また、体力をつけるためにラジオ体操とかリングフィットアドベンチャーをしていたり、集中力をつける的な意味合いもあってポーカー (ノーリミットテキサスホールデム) にハマりました。誰かやりましょう。
最初は長時間活動するのは難しかったですが、現在ではフルタイムの定時くらいまではなんとか作業できるようになりました。
まとめ
うつ病で休職したことや自分のうつ病に対する理解について書いてみました。
うつ病に関する情報は色々なところにありますが、信用に足る情報なのかがいまいちわかりづらいです。
この記事も同様ではありますが、それでも誰かの役に立つことを願っています。
また、冒頭にも書きましたが、私には普通に接してください。特にうつ病関連がタブーであるということもないです。
よろしくお願いします。